こんにちわ。
ついに、助産師さんからおっぱいマッサージ*1を教授頂き、習得した新米パパです。まさか嫁の母乳を出すなんて夢にも思ってませんでしたが、おっぱいについてこんなに深く理解する機会を頂き、人生の面白さに感謝しております。
冗談はさておき、我が家ではまだまだ、おっぱいに悩まされる日々で。。
さて、6月生まれの我が子ですが、この夏の猛暑もあってなかなか外に連れ出すことが出来ませんでした。最近、ようやく外出するようになり、活動範囲も広がって、育児が楽しくなってきました。
そして、外出となると、待ち受けるのは『○○デビュー』です。普通、ここには公園という言葉が入るのでしょうが、このブログは『男性視点』の育休ブログです。ですので、『私』のデビューについて話をしたいと思います。
そう、外出出来るようになり、落ち着いた頃には、ママになった女子たちの会、ママ会が開催されるのです。
ママ会デビュー
ある日、妻から『今度ママ会あるんだけど、来る?』と聞かれました。
私の返事は、『あー、どうしよっかなー、ちょっと考えるね』でした。ママ会がその内開催される事は容易に想像できる話で、想定もしていたのですが、日々の生活を送る中で、すっかり失念していたのです。
男性たる私にとって、簡単に返事が出来る程、事態はそう簡単ではありません。なんせ、『ママ会』なのです。読んで字のごとく、オッサンの参加は想定されていません。また、『ママ会』とは、平たく言えば、子どものいる『女子会』なのです。女子会といえば、『恋バナ』あるいは『男性(旦那)への不満をぶちまける会』で、男性が近寄ってはならない領域である、とドラマ等のマスメディアから男性は学習しています。もう、全く敵陣に飛び込むような行為です。下手に参加すれば、針のむしろとなり、僭越ながら(そんな権利はないが)世の男性すべてを代表して謝罪する事態になりかねません。本能的に回避すべき会です。
他方で、私も『ママたち』に会いたいと言う気持ちがありました。
話を補足しますが、この『ママ』たちは、役所のやっているプレママ講座の同期の人達です。いま住んでいる土地に地縁が無く、友人もいない私達にとって有り難い存在でした。
妊娠期間中、近くに友人のいない妻の事が心配だったのですが、フィーリングが合う人達だったのか、人と積極的に交わるタイプではないと思っていた妻も、友人を作る事が出来ました。私にとっては嬉しい誤算だったのです。やっぱり、男には分からないこともあるし、同性同士で情報交換をしたり励まし合うってのは、心強いですよね。
こういう人間関係は『パパ』ネットワークの無い私にとっても、唯一の情報ソースということもあり、会って『育児』について、色々相談したい、聞いてみたい事は沢山あったのです。
正直、女性同士の会話に男性がいる事で余計な気を遣わせてしまわないか、考えもしましたが、ここは『ママ』という言葉を、『育児従事者』と脳内変換して飛び込むことにしました。
キッズとママの熱気に圧倒される
さて、この『育児従事者』の会は、役所が設置しNPOが運営する、『子育て支援カフェ』で開催される事になりました。要は赤ちゃんや、子ども連れでもOK、オムツ替えや授乳できる設備もあり、メニューは妊婦さん、ママ、子どもにも対応している施設です。
その存在はなんとなく知っていたものの、行くのは初めてです。平日の昼間です。多分、そのカフェにいる男性も私だけです。ここは、あたかも何回も来ているようにスムースに入店しなければならない!出ないと、『あの男、平日昼間から何してんの』的な視線を集める!と変なプレッシャーを感じていました。
いざ、入店!!すると、おびただしい数のママとキッズ達、飛び交う乳児の泣き声と幼児の叫び声に、私は圧倒されてしまいました。。
そうか、こんなにママや子どもがいるんだ。出生率の低い今でもそうなのに、ベビーブームの時はどんな光景だったんだろうか。
と、アホな事を思っているうちに、手慣れた店員さんに席に案内されました。私の心配は完全なる杞憂でした。
この2ヶ月間、家の中で妻と赤ちゃんの3人だけの暮らしをして来たおかげで、世の中の赤ん坊は我が子だけ、みたいな感覚になっていたんだと思います。
これが育児従事者達の社会なんだ、と思いました。色んなママがいてキッズがいる。その中で人間関係が作られていく。これも、ある意味私には『デビューした感』のある体験でした。
ママ達の寛容さ
さて、いよいよ『ママ』達との初対面です。勤めて爽やかに挨拶しないといけません。
が、そう簡単ではありませんよ、やっぱり。
女性だけの輪に入ったことは、『おままごと』の経験を含めて記憶にある限りは無いのです。
そう言ってる間に、初めましての挨拶です。私が瞬時に迷ったのは、まずママに『はじめまして』と挨拶すべきか、赤ちゃんに『かわいい!』と挨拶すべきかです。うーん、どっちが正解!?と、意味不明な事を迷っているうちに手慣れた『ママ』が座席の指定をしてくれました。
入店の時と言い、挨拶の時といい、ダメダメです。私は、完全なる独り相撲を演じている事に気がつきました。カッコつけなくても、意外にすんなり男性の『育児従事者』も受け入れてもらえたのです。
自分が求めているのは『承認』よりも『共感』かも
さて、ひと通り挨拶を終えて、いよいよママ友とのおしゃべりタイムです。みんな、出産してから会うのは初めてなので、大体話題は、出産がどうだったか、この2ヶ月間の苦労話、今困ってる事のセットになります。そして、旦那の話。男性の私がある意味主役になる話題にうつります。
まず、『旦那さんは平日休みなんですか?』と聞かれ、『育休です』と答えます。育休を取得した『男』という生き物は、珍しがられます。そして、職業と取得期間を聞かれます。『あ、普通のサラリーマンです。』と答え、『6か月です。』と期間を告げると、マジで驚愕されます。*2このルーティンの会話は恐らく私が育休中に何度となく繰り返す事になるやりとりです。面倒くさいけど、仕方ありません。
最初のエントリで、私が『育休=超cool』という風に捉えて『承認欲求』を満たしたい、という気持ちがあることを書きました。このブログも結局は私の自己顕示欲からスタートしています。
そんな私は、ママ会でもこう言われる事を期待していました。
『なんていい旦那さん』
ええ、実際言われましたとも。
で、嬉しかったかと言われると、うーん、実際、嬉しい気持ちはありつつ、なんか違うのです。違和感がある。。
まず、私は2か月の育休体験は、自慢出来るほど立派ではないし、ただ大変だった記憶しか無い。ママたちが体験した事と何ら変わりはないか、それ以下なんですよ。そして、男性の育休はそれだけで『良い』とされて、『旦那が育休を取ったからこその苦労』については認識されないからです。この3ヶ月育休をやってみて感じているのですが、男性の育児休業は良いことばかりでは無いし、私は偉くもなんともないのです。これはまた別のエントリにまとめます。
それに、私は『育休』に対する承認欲求より、『最初の1か月大変でしたよね、お互い頑張りましたよね』という点で共感したい気持ちの方が、実際高かった。
男の私も、多くの女性が恐らくそうであるように、育児の大変さを『誰か』と共有したくなったのです。そうする事で、自分のこの2ヶ月が『立派では無かったかも知れないが、皆も同じ事で苦労している、自分は間違っていなかった』と確認したかったのです。
幸い、ママ友の『なんていい旦那さん』は、いい意味で『建前』だったようで、私を『異質な存在』ではなく、同じ『育児従事者』として扱ってくれたと感じました。(そりゃ、気を使わせた部分はあるに違いありませんけど。)本当は途中で離席するつもりだったのですが、結局閉店間際まで、寝かしつけの話とか、おっぱいの話、小児科を何処にするとか、どの『育児従事者』でもする話題で盛り上がる事が出来ました。
ママ達にお願いですが、育休パパを見かけたら、同じ『育児に悩む人間』として受容してあげてください。男性にとってママコミュニティは『ちょっと怖い』ですが、その反面、相談先として心強く思っている人もいるとおもます。
よくよく考えると、パパで育休取ってる男性は、孤独な状況です。
女性のそれとは比べ物にならない小さな孤独感かもしれませんが、日常で同じような育休パパと会う事も無ければ、女性からも異質な目で見られる。普段の人間関係の多くを占める社会そのものからも。なんなら、家族からしてみても『何でお父さんいるの?』とか、『旦那が稼がないなんて!』とか言われる人もいるでしょう。仕事で忙しい男性の友人に相談する気にもなれないでしょうし、そもそも自分で望んで飛び込んだ環境なんですから、文句は言えませんしね。
その意味で、男性もひとりで悩んだり、考えたり、グチを溜め込んだりする人もいるかもしれません。*3
そんな時、頼りになるのは先輩たるママ達だと思います。最初は生暖かくても良いので、よろしくお願い申し上げます。
ママ達の鋭い視点
ママ達と旦那の話をしていると、まぁまぁ予想通りの愚痴は出てきました。もちろん、男性の私がいるので、多少ご配慮頂いたと思いますし、私の妻は私がいるので文句言いにくかったでしょうね、、ゴメン(笑)
その中で、私がハッとした視点がありました。
『産んだら家族の目線が赤ちゃんに行って、誰も私をみてくれない。』
そうだ、確かにそうです。言われるまで気がつきませんでした。
妊婦だった時は、旦那や、両親は妻の体調に気を使ったり、優しい言葉をかけようとします。
が、生まれたら、妻のことは程々に、可愛い我が子(孫)に目が行ってしまいますよね。ママにしてみたら、『手のひら返し』された気分になるでしょう。
それに、女性であるママは、育児をちゃんとやっても褒められないんですよね。男性はオムツを替えるだけで『イクメン』と賞賛されますが、女性の場合はやって当然と思われる。
ママ達の心境は、恐らくこうでしょう。
『えっ?ちょっと待って、私は??頑張ってる私は??おーい、みんなー??』
新米パパは赤ちゃんを迎えて、仕事と家庭の両立とか、育休取る人は家事と育児を頑張ろう!と思っていると思います。それはもちろん妻の負担を減らそうとする意味で、妻を労う気持ちがあると思いますし、やらないよりやる方が良い。
でも、ママ達の言っている事は、多分それが全てではないんだと思います。それが何かってのは、今の私にはボンヤリとしか分からず、明確に言葉に出来ないのですが、目線を(赤ちゃんの「ついで」ではなく)しっかりママに向けて、感謝したり、労ったり、そういう事なのかなぁ、と思います。
せめて旦那くらいは味方になれるようにしたいもんです。。うーん、自分がそこまで気がつけているかと言えば、、。。
これは、周囲の人も気をつけないといけない部分かもしれません。
妊娠、出産、育児は、それぞれに切れ目があるわけではなく、ひとつながりの大事業な訳ですから。
こんな感じで、最初の2ヶ月は『生存』のために必要性の高い育休だったのですが、3ヶ月を超えてちょっと意味合いが変わってきたように感じています。それに伴って、私も日々の過ごし方が、ちょっと分からなくなる時もあって、また違った壁に当たっている気がします。それが何か、今後わかってくるといいのですが。
さて、この後、コミュニティセンターのデビューという事も待ち受けています。今、まさに体験中なので、それはまた別の機会に。